アクースモニウム

ドゥニ・デュフールというフランスのミュージックコンクレートをメインにする現代音楽家の作品をその弟子である檜垣智也が「アクースモニウム」というもので演奏するというライヴが、大阪市平野区全興寺で行われた。
アクースモニウム?なんじゃそらと思ってみたら、音源をスピーカーの数だけパラってミキサーにインプットし、スピーカーの数だけパラアウトしてしまうというシステム(ちなみに今回は17個用いていた)。
演奏者は、音楽に合わせてフェーダーを上げ下げするだけ。手元を見ていたのだが、どのスピーカーがどのトラックに繋がっているのかわからず、あらぬ方向から音が流れたり、後ろから迫ってきたり、隅っこでぼそぼそとつぶやいていたり、四方八方から音が流れて濁流に飲まれたと思ったら突然無音になって空間に放り出されたり…
複数台のスピーカーを用いたからといって、いたずらにサラウンドサウンドを狙ったわけでなく、…なんだろう、音自体が動き回っている感覚がした。うまく説明できねぇや。実は不覚にも寝てしまったのだ。音自体はメロディーは全くなく、それどころか楽器の音すらほとんどない。具体音(波の音とか、機械音、声)と電子音だけのまさにミュージックコンクレートだったので…グォーン、シャー、チリチリチリとかそんな音ばっかり。ライヴで寝るなんてめったになかったので迂闊だったわぁ。
帰りにデュフール氏のミュージックコンクレート作品と、日本人によるミュージックコンクレートのコンピ作品を収めたCDを買う。…そうか、ミュージックコンクレート自体がクラシック同様の「様式」なんだとわかった。具体音を変調/加工させることを目的とした音楽。

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