まんがくらぶをまた買い出した。

ここ数年は、いがらしみきおぼのぼの」とたかの宗美「有閑みわさん」を立ち読みするくらいだったが、橘紫夕ひよわーるど」が連載化されてから、また読み出したまんがくらぶ。最近のこの雑誌の傾向としては、従来の4コマ漫画誌の鉄の掟であった「ほのぼのファミリー4コマ漫画」を描ける若手を育成している感がある。
連載陣では智「猫びよりヒルネちゃん」、前田舞☆「あかいレンガちゃん」、魔神ぐり子 「まごころ。」、今月号(2009年7月号)のゲスト陣では渡辺圭祐「父派なわたしじゃいけません?」、藤生「ひみつのおねえちゃん」あたりがそうである。絵柄は同人系や萌え漫画のテイストだが、ギャグは起承転結がきちんとして1話完結スタイルになった「植田まさしマナー」(勝手に命名)である。漫画によってはそこに大橋ツヨシの「かいしゃいんのメロディー」や「ネ暗トピア」あたりのいがらしみきおに通じるナンセンスギャグを絡めたりしている。
それゆえか萌え漫画に比べたら、まんがくらぶ連載陣には極めて地味な漫画が多くなってしまっているのだが、萌えやキャラに逃げない姿勢を継続すれば、いい感じのマンネリズムが形成できると思う。単行本化がなかなかされないというデメリットも孕んでいる(いたずらにメディアミックスで疲弊することもないけど)が、このあたりが案外長期連載にも耐えられる人材になるかもしれない。野中のばらこだま学柳田直和みたいに。
まぁ、久々に読んでいるのだけど、まんがくらぶ、雑誌全体のバランスは良く取れていると思いますね。いがらしみきお小池田マヤ内田春菊安田弘之といった大御所と、小坂俊史松山花子胡桃ちのたかの宗美の同業他社誌併載組、そして同人寄りの新人作家の配分がちょうどうまく分かれているし、ファミリー向けという縛りがいいリミッター感を生み出して安心して読めますしね(上記作家陣の「こうじゃないスタイル」も知っているゆえ。)。それがしょーもないという方もいるけど。萌えもいいけど、そればかりでは食傷するので、こういうのも読むのもいいだろうとヲタにすすめてみたり。