猫山宮緒「今日もみんな元気です」

ちょっとずつ修正しているな。それだけ面白かったということか?

ネットで猫山宮緒「今日もみんな元気です」なる漫画に妙にひっかかり、こないだ古本市場で購入した(14年くらい前の漫画なので、古本でしか手に入らない。まぁ、タマ数は多いから、入手は容易やけど)。新潟の中学校が舞台になった非常に初々しい恋愛群像劇だったのが、後半いきなり、サブキャラだった双子の姉弟同士の恋愛感情を事細かく紡ぎだし、そして近親相姦(あ、性描写は一切ないぞ。初出はLaLaやからな。)に至るという展開にシフトしていくのだ。前半では明るく仲良しな双子のキャラだったのが、なんでまた(前半にも危うさはあったけどね)?と思うくらいギャップがすさまじい。しかし不思議と暗さとか背徳感とかそういうのはあまりなく、双子の絆や愛情を一層深めるためのステップとして用いられているようにも見えて(もちろんとんでもねぇ手段だし、純粋すぎたが故に残酷な選択肢をとったことに変わりはないけど)、この漫画の他のキャラ達同様に温かく見守りたくなる感じ。後半は前半に出てきたキャラがほとんど出てこなくなるが、双子は明るく社交的でみんなから愛されているし、理解してくれる人もいるから、二人だけの世界に耽溺することはない…と思う。最終回では行為をいたした書庫室で友人(こいつもこいつで腹黒なのだが、詳述しない。)と会話したりしているし。
2ちゃんの作者スレみたら(こういうときくらいしか見ない。ほとんどが根拠のない悪口やら上記の双子(´Д`;)ハアハアやらで埋め尽くされているのだが。)、2006年頃まで連載を持っていたが、現在は活動していない様子…。この漫画の高校生編が見たいという書き込みもあったが、読者の頭の中で完結させたほうがいいでしょう。高校1年生になった双子のイラスト(1巻に姉、6巻に弟)でも見て。なんかどっちも影を感じる…。
トンデモ部分ばっかり書いたが、中身は、思いっきり少女漫画。34歳男が買うのもこっ恥ずかしいほどの。でもそれを差し引いても、グイグイと話に引き込まれてしまったので、あぁ、いい作品なんやなと。

参考リンク
『エデンへおいで』『フライングドラゴン』『上海特急猫山宮緒著〜アジアの物語について1|旧館:物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
http://ameblo.jp/petronius/entry-10008458295.html
『エデンへおいで』『フライングドラゴン』『上海特急猫山宮緒著〜アジアの物語について2|旧館:物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
http://ameblo.jp/petronius/entry-10008464702.html#main
猫山宮緒『今日もみんな元気です』レビュー(ネタバレ注意)
http://www.mis.ne.jp/~sukkie/hiiro/iroiro/iroiro-10.html

結局、次作の『エデンへおいで』も買ってしまう。1巻のテキスト量の多さに疲れる。

※2012年8月5日追記
どうも、2010年辺りから活動を再開していたみたい。これ書いている時点では、ここで連載やってる。ブログやTwitterもやってるが、それは自分で探そう。