和歌山南部
2日に兄貴一家は帰り、すぐさまご朱印集めを開始すべく、2日夜9時半に三田を発つ。和歌山県南部に点在しているご朱印スポットを済ますために。で、回ったのは以下の通り
- 青岸渡寺:西国三十三箇所・第一番札所であり、神仏霊場巡拝の道・第二番(和歌山二番)札所である。西国三十三箇所は二巡目である。山号は「那智山」、本尊は如意輪観音菩薩である。俺がついたのは朝4時50分ごろ。ここは朝5時からご朱印を受け付けており、さらに朝のお勤めにまで参加してしまう。地元の人で、冬の間だけ毎日朝のお勤めをしている方とお話しする。その都度ご朱印を押してもらっているで、ご朱印帳が青岸渡寺のページだけ朱色に染まっていた。こんなハードな人もいらっしゃるのかぁと感心することしきり。お勤めを終えて、次にとなりの熊野那智大社へ参る。
- 熊野那智大社:神仏霊場巡拝の道・第三番(和歌山三番)札所。主に祀られているのは熊野夫須美大神という。熊野三社(熊野那智大社、熊野速玉大社、熊野本宮大社)に祀られている神は、熊野権現とも言われているのだが、これは神様は実は仏の化身(権現、本地仏という。)なんですよーという考え(本地垂迹思想という。)に基づいている。神と仏を一緒に信仰していた頃の思想ともいえるな、昔は寺の中に神社がある(あるいはその逆も)のは当たり前だったのじゃ。以下に熊野那智大社に祭られている神と、本地仏を表にしとく。
社殿 | 神名 | 本地仏 | |
---|---|---|---|
第一殿 | 瀧宮 | 大己貴命(飛瀧権現) | 千手観音 |
第二殿 | 證証殿 | 家津御子大神、国常立尊 | 阿弥陀如来 |
第三殿 | 中御前 | 御子速玉大神 | 薬師如来 |
第四殿 | 西御前 | 熊野夫須美大神(主祭紳) | 千手観音 |
第五殿 | 若宮 | 天照大神 | 十一面観音 |
第六殿(八社殿) | 禅児宮 | 忍穂耳尊 | 地蔵菩薩 |
聖宮 | 瓊々杵尊 | 龍樹菩薩 | |
児宮 | 彦火火出見尊 | 如意輪観音 | |
子守宮 | 鵜葺草葺不合命 | 聖観音 | |
一万宮・十万宮 | 国狭槌尊、豊斟渟尊 | 文殊菩薩、普賢菩薩 | |
米持金剛 | 泥土煮尊 | 釈迦如来 | |
飛行夜叉 | 大戸道尊 | 不動明王 | |
勧請十五所 | 面足尊 | 釈迦如来 |
ちなみに、写真は…朝5時じゃ思いっきり暗かったので、あきらめた(笑)。
去年行った写真→http://d.hatena.ne.jp/funaman/20090201/p1を見て。
那智の滝でもご朱印をゲットできて(飛瀧神社といって、那智の滝自体が大己貴神の御神体なのじゃ)、写真を撮ったのだが…
こんなんであるから、滝の写真なんか望むべくもなく…。6時頃に那智山を後にして、国道42号線を田辺方面に向かっていくにつれ、夜が白んでいき、朝焼けの写真を撮る面々に遭遇したりしたのだが、眠気に耐え切れず、道端に車を停めて7時から30分ほど寝る。
- 闘雞神社(オフィシャルサイトがないのでwikipedia:闘鶏神社参照):神仏霊場巡拝の道・第五番(和歌山五番)札所。名前の由来は、源平合戦の頃。当時源氏、平家どちらからも壇ノ浦の戦いに加担してくれと要請されていた、当時のこの神社の社僧であり熊野水軍を統括していた、別当湛増(たんぞう)が、この神社(当時は田辺の宮)で、紅白の鶏を戦わせたことからきているとのこと。結果ですか?赤の平家が闘わずして逃げたので、白の源氏について…以降はご存知の通りですね。本殿に祀られているのは、伊邪那美命(いざなみのみこと)。本殿の周りに細々と社殿があって、
右隣には左より上殿。祀られているのは、天照皇大紳(あまてらすすめおおかみ)、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、宇賀御魂命(うがのみたまのみこと)。
中殿。祀られているのは、迩佐杵命(ににぎのみこと)、火々出見命(ほほでみのみこと)、天乃忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)。
下殿。祀られているのは、火産霊命(ほむすびのみこと)、椎産霊命(わくむすびのみこと)、弥都波能売命(みずはのめのみこと)、埴山比売命(はにやまひめのみこと)。
八百万殿。祀られているのは、手力男命(たじからのおのみこと)、八百万神(やおよろずのかみ)。
本殿左隣にある西殿。祀られているのは、事解之男命(ことさかのおのみこと)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)
以下、摂末社。
玉置神社。祀られているのは手置帆負神(たおきほおいのかみ)。
十日戎神社。祀られているのは、戎大黒二神。つまり、えびすと大黒だ
雞姫弁才天。祀られているのは、市杵島姫命。
弁慶社。祀られているのは武蔵坊弁慶である。なんでも田辺が弁慶生誕の地であって、産湯に使った釜が社務所に展示されているぞ。ちなみに、前述した別当湛増が弁慶の父親と言われているが、歴史的根拠は、ない。
藤厳神社。紀伊田辺藩初代藩主、安藤直次が祀られている。
- 道成寺:神仏霊場巡拝の道第六番(和歌山六番)札所。山号は「天音山(てんのんざん)」、正式名称は「千手院道成寺」。千手院の名の通り、本尊は千手観音。能や歌舞伎の演目である「道成寺」はここが舞台になっているのだと。以下、本堂以外のお堂。
十王堂。閻魔大王が納められている。
宝仏殿。歴代の仏像が展示してあるぞ。有料だったから見てないけどな(爆)!
念仏堂。…何が納められてたっけ…?ド忘れ。
護摩堂。不動明王が納められている。未だに真言が怪しい。愛染明王とごっちゃになる。おさらいしておこう。
なうまく さんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うん たらた かん まん
「遍満する金剛部諸尊に礼したてまつる。暴悪なる大忿怒尊よ。砕破したまえ。忿怒したまえ。害障を破摧したまえ。」という意味だと。
鎮守三社。左より住吉神社、弁財天、天満宮。
稲荷神社。
- 藤白神社(オフィシャルサイトがないのでwikipedia:藤白神社参照):「ふじしろじんじゃ」と読む。神仏霊場巡拝の道第七番(和歌山七番)札所。祀られている主祭神は櫛玉饒速日命(くしたまにぎはやのみこと)。鈴木姓の発祥の地であるという。鈴木さんはここでその旨を言うと、お守りだかがもらえるぞ。じゃぁ、佐藤姓発祥の神社もあるのだろうか。摂末社行くぞ!
恵比寿神社。祀られているのはえびすですよ。
白龍社。
4社が祀られた社。左より塩竈神社、住吉神社、秋葉神社、祇園神社となってる。
子宝楠神社。神木の楠木が祀られているのだ。
藤白王子権現本堂。ようするに、熊野三社の主神の本地仏が祀られているってわけだ。ややこしい!ちなみに、家都美御子大神は熊野本宮大社に祀られていて、素盞鳴尊でもあり、阿弥陀如来の本地仏である。熊野速玉大神は熊野速玉大社に祀られていて、伊邪那岐命であり、薬師如来の本地仏。熊野夫須美大神は熊野那智大社に祀られていて、伊邪那美命であり、千手観音本地仏。ややこしすぎるわ、熊野権現!
有馬皇子神社
- 禅林寺 (オフィシャルもwikipediaもない。ググって、ここを見つけた。):西国薬師四十九霊場・第十二番札所。山号は「播川山」、正式名称は「薬師院禅林寺」。本尊は薬師如来。他にもぼけよけ二十四地蔵尊霊場。第三番札所、紀伊之国十三佛霊場・第七番札所、高野長峰霊場・第一番札所でもある。和歌山在住の方はやってみる?塔頭寺院や、摂末社の類もないこじんまりとした堂宇である。ご朱印をもらった時に、「どこから来ました?」「えぇ、兵庫県からです。」「遠くからお参りで…よかったらこれを。」といって、みかんをもらった(笑)。ちょっとえぇ話。
この辺でテンションがぐぐっと下がり、そのまま帰途についた。